2016-09-29

中国・香港・台湾のコスプレのクオリティーのレベルが高い理由

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ネットで時々話題になる中国・香港・台湾のコスプレのレベルが高い理由や日本と海外のコスプレ文化の違いを参考書籍や自分の意見も交えつつ考えてみました。

※画像はCharlotteの友利奈緒(本文とは関係ない・・・!?)


今回の記事は以下の本を参考にしました

コスプレでつながる中国と日本―越境するサブカルチャー (学術叢書)
化 濱
学術出版会
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内容は非常に読みやすく面白いです。海外のコスプレ画像もたくさん紹介されています。

・日本は「静」の文化、中国は「動」の文化
日本ではポーズ決めが重視されているのに対して、中国はアニメの一場面を再現するヒーローショー形式が普通です。(ちなみに海外のCOSPLAYといえば、これが普通。)そのため必然的に衣装は激しい動きにも耐えられ、なおかつ、どこから見ても美しい耐久性と完成度の高いものになりやすいです。

関連:インドネシアのコスプレ関係の記事一覧

・サークル(社団)の規模の経済
日本のコスプレは個人や小規模サークルが多いのに対して、中国のコスプレは企業の出資も受けた大規模サークルが目立ちます。(国営化された賞金付きのコスプレ大会もあり。)当然、学生達等による趣味のコスプレサークルも多数存在しますが、賞金付きのコスプレ大会では主に資金力の差で淘汰され、低レベルな弱小サークルはメディア露出の機会が少なくなります。

・徹底的な専門化
日本は一般的には一人あるいは少数でコスプレの衣装制作・演技指導・写真加工等をしますが、中国では専門分野ごとに役割分担、あるいは外注をすることが多いです。そのためコスプレサークルなのに、一切コスプレをしない人もいます。

・コスプレ参加層の違い
日本では庶民でもコスプレを行い、比較的コスプレへの敷居が低いのに対して、中国で日本のアニメ文化に触れることができるのは本物志向で中流以上の富裕層が大半です。違法視聴などでアニメ自体の知名度は高くとも、実際にお金をためてコスプレをする人はそこまで多くないそうです。

・コスプレエリア、コスプレの場の違い
日本ではコスプレイベントの出来る施設(ホテルや洋館やテーマパークや遺跡など)がマナーの悪い一部ユーザーのせいで、制限が厳しくなりつつある(例えば武器持ち込み禁止)のに対し、中国では専用の会場やスタジオが充実しており、制限もそこまで厳しくないそうです。また、開発に失敗して放置されたゴーストタウン(鬼城)も多く、危険はあるが選択の幅が広いです。(ヨーロッパ風の街並みを模して建設された街も多数あり)

結局のところ、中国のコスプレのレベルが高いのは、資金力の差が大きいです。
日本では通常、一般庶民が知恵を絞ってハイクオリティなコスプレを目指すので、結果に差があるのに対し、中国では、富裕層が金に糸目を付けず力技でハイクオリティなコスプレをしたり、評判のいいサークルに企業スポンサーがつくことが多いので、賞金付きのコスプレ大会といったメディア露出の場ではある程度以上のレベルが保証されたコスプレだけが目立つようになります。

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