米国のGAFAに匹敵する中国の巨大IT企業「テンセント」について、興味深い本を読む機会があったので、紹介してみました。
この本は、インスタントメッセージツール『WeChat』から始まったテンセントの活躍の道筋と、テンセントのネット事業に加えられてきた、ゲーム、エンターテイメント、金融などの具体的な要素、そして中国全体のインターネットプラスという政策をめぐる状況について詳しく解説されており、テンセントを切り口にここ数年の中国のインターネット事情の概要がわかる一冊です。
そして、本書で特に印象に残ったことは3点ありました。
1.「インターネットは特定の産業、特定の人たちだけに必要とされるものではなく、広く一般の人たちの「つながり」を支えるエコシステムである」こと。
2.テンセントは多角化戦略で事業領域を拡大しつつも、事業提携などの形でコア事業以外は他社に任せて、コア事業に経営資源を集中しており、「多角化」と「選択と集中」を両立させている。
3.インターネット分野では、中国政府は当初は企業の自由にさせて、問題があった場合にその部分を規制する、という寛容な方針があったため、現代中国のIT化が進んだということ。
こんな感じで結構ボリュームがある本でしたが、非常に興味深い内容で良かったです。
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