2018-06-14

【就活】東京オリンピックの無償ボランティアへの参加が大学生の就活に不利な理由【やりがい搾取】




「東京オリンピックの無償ボランティアは就活に有利!!だから学生は喜んでタダ働きしろ!!」という世間の風潮が個人的に超気に入らないので、逆にこの奴隷労働が就活に不利である理由を考えてみました。

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<そもそも東京オリンピックの無償ボランティアが奴隷労働である理由>
最近、2020年の東京五輪に向けて、会場ボランティアを大量募集していますが、広告費やコンサル費用(笑)には湯水のごとく大金を投じている割には、会場スタッフはボランティアという名目で劣悪な条件のタダ働きをさせようとしています。

ボランティアだから無償労働が当然では?というご意見もあるようですが、以下の要項の内容は、日本で一般的なボランティアの要項と比べてみても割と劣悪な部類に入ると思います。というか公的機関が主催するボランティア内容としては最悪です。

・小学生から社会人まで無償労働を呼びかけ
・実施前に長期間の研修プログラムに強制参加
・現時点では8時間労働を約1週間のスケジュール
・資格や技能手当なし
・宿泊費支給なし
・会場までの交通費支給なし
・期間中の交通費は一部のみ支給?
・食事や飲料は支給なし?
・やりがい(笑)だけは満額支給


<東京オリンピックの無償ボランティアへの参加が逆に就活に不利な理由>
・上から与えられたプログラムへの受動的な参加なんてまともな企業は大して評価しない
そもそも「ボランティア」とは、自らの意志により自発的に奉仕活動を行うことで、自発性、無償性、利他性、先駆性の要素があることが条件だそうですが、今回のボランティアは与えられた労働プログラムに無報酬で参加しているだけなので、厳密にこれがボランティアなのかと言われると少々疑問です。

・奴隷アピールにはブラック企業しか寄ってこない
理不尽かつ無意味な低賃金・長時間労働を歓迎するブラック体質アピールは、いまどき旧態依然としたブラック企業くらいにしかウケません。明らかにブラック待遇確定な地雷案件の大会ボランティアに参加した所で、社畜アピールにしかならないと思います。

大した技能や知識もなく経歴だけは一応、大卒扱いの人たちはともかく、ある程度以上のまともな大学生が今回のような「なんちゃってボランティア」に参加した所で、逆に自分の価値を下げているだけにしか見えないです。

・ブラック体質な人間を、ホワイト企業はむしろ敬遠する
世界的に見ると圧倒的にブラック企業体質で生産性の低い日本企業は、最近では各方面からの圧力を受け、まともな所であればホワイト企業体質に転換しようと職場環境改善に向けて積極的な活動を続けています。

そんな中で自分の価値を見極めれずに低賃金・長時間労働も歓迎なブラック体質をアピールする時代遅れな人間を採用したら、将来ブラック体質を部下に押し付ける上司になるのは確実で、ホワイト企業側のせっかくの努力が水の泡となるので、まともな企業ならこうした人間の積極的な採用は控えると思います。

・たかだか一度きりのボランティア経験なんて就活では誤差同然
ボランティアへの参加、つまり社会貢献活動の経験というのは、アルバイトやインターンシップの経験同様、継続的な活動が評価の前提となります。だから、たかだか一度きりのなんちゃってボランティア活動に参加したくらいで、長らくサークルや学生団体などで真面目にボランティア活動をしてきた人間を押しのけて就活で無双できるかというと、まあ無理ですね(笑)

・新規性や独自性のない活動は大して評価の対象ではない
最近はIT技術の利用や海外へのアウトソーシングなどで、企業の省人化が進み自分の頭で0から1を生み出せる主体的な人間の価値が相対的に増大しています。そのため、他人と同じことを何も考えずに同じレベルでやっている程度の大学生は、もはや評価の対象外となってきています。今回の五輪ボランティアはその性質上、主体的な人間の活躍できる場面が少ないので、企業相手にはアピールポイントが少ないです。

さらに、この時期の就活の面接では確実に東京オリンピックのボランティア参加を自慢する人が多いのは確実なので、企業側もこうした無能で無個性な人間を弾く確率は高いです。

・単純に時間、体力、費用のムダ
細かい説明は省きますが、結論から言うと今回のなんちゃってボランティア(笑)に貴重なリソースを浪費するくらいなら、別の有意義な活動に使った方が、就活という意味ではよっぽどマシな結果が出せると思います。過労死確実な割に、得るものが少ない活動は避けましょう。


<逆に就活に有利になりそうなボランティアとは?>
大事なことなのでもう一度言わせて頂きますが、就活という意味では、ボランティア自体は十分評価に値する活動の一つだと思います。ただ、問題なのはボランティアに対する関わり方だと思います。

所詮、大学生の就活の現場においてはボランティアを含めた学生時代の経験は「会社の利益になる」「顧客に価値を提供できる」主体的で行動力と計画力のある人間を選別する手段の一つでしかないのです。

そのため、就活実績を目当てに何かボランティア活動をしたいのであれば、「自分で解決すべき問題を発見し、仲間と協力して団体を立ち上げ、リーダーとして綿密に計画して確実に成果を出せる」ボランティアに参加するのが一番いいのでは?と思います。

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