今回は、大学時代になんとなく入った廃部寸前の文芸部の部員不足の問題を、学内新聞事業とSNS戦略を発案して問題改善につなげた時の話をまとめてみました。
最近は新型コロナウイルスの影響で新歓イベントがことごとく中止され、部員不足や廃部の危機にある部活やサークルも多く、何かのヒントの一つになればとノウハウ共有のつもりでまとめてみました。
1.そもそもどんな状態だった?
そもそも文芸部には、学内のサークル棟を適当にぶらついていた時に存在を発見し、気分で入部しました。ただ、その時の実働部員は卒業間近な部長と近所に住むOBと顧問の先生だけで、このままでは部員不足で廃部になると、次期部長として部員確保の役目が与えられてしまいました。
2.部員不足の原因とは?
そして、突如任命された次期部長として問題解決をするにあたって「なぜ部員不足なのか?」を考え直してみると、少なくとも以下の4つの原因があるのでは?と考えました。
・そもそもの部の知名度や広報活動のなさ
・文芸部の地味なイメージと活動内容
・同じ文学ジャンルで競合の部活やサークルが多い
・部室の場所が悪く新入生にリーチしにくい
3.実際にとった方法とは?
上記の原因や前提条件を踏まえて、解決策を考えた結果、「活動の多様化による取り組みやすさの改善」と「SNSを多用した広報戦略」という大きな2つの方向性をテーマに問題解決にチャレンジしてみようと思いました。
「活動の多様化による取り組みやすさの改善」としては、読書会と部誌の作成程度だった従来の活動内容に加え、学内新聞製作・他の文芸系団体や留学生とのコラボ活動を新しく始めました。
学内新聞は「Canva」という基本無料のデザインツールを用いて制作しました。新聞は毎回テーマを決め、そのテーマに沿った記事や小説を部員やOBOGから集めるだけではなく、テーマに関連した他の部活動・サークルにも寄稿を依頼してまとめました。
特に、誕生したての新規サークルや存在が珍しいサークルに対しては、記事内での部員募集も推奨することで、Win-Winな関係を目指しました。
そして、発行した新聞は、従来のサークル掲示板の他にも、ネット公開したり、図書館や商店街など学内外の他の場所の掲示板への掲載も交渉し、メディア露出度を高めました。
ちなみに、実際に任期中に作成した学内新聞はこちらです。
「SNSを多用した広報戦略」としては、「部の公式アカウントでの情報発信」と「他のアカウントの巻き込み」を軸に、主にTwitterを使った広報活動を展開しました。
従来のサークル掲示板へのビラ配布に加え、Twitterの公式アカウントで文芸や大学全体に関するニュースやネタや有益な情報を継続的に発信することで、まずは部の認知度を高め、次に部活動に興味を持ってくれる人の増加を目指しました。
また、学内新聞の宣伝・協力への感謝を込めて記事を寄稿して頂いた方やそのアカウントについて紹介したり、同じ文学ジャンルでのコラボ活動を主導することも、認知度向上に多少は役立ったと思います。
4.実際の活動の結果は?
ちなみに、仲間を巻き込んでこうした活動を一年ほど続け、最終的に部員数が約20名、実働部員が約10名という結果になり、自分の任期中に廃部する危機はひとまず回避することはできました。
また、入部とまではいかないまでも新聞への定期的な寄稿者を獲得したり、学内新聞や公式Twitterの継続によって当時の阪大生の間で多少の話題となることができて、以前よりは部の存在のアピールができ、これまでリーチできていなかった新入生とのルートも獲得しました。
5.大学側の反応は?
部の新しい活動に対し、大学運営側の反応はおおむね好意的で、大学図書館など大学施設での勧誘ポスターや学内新聞の掲示も「ルールには則った」方法であれば多少、当初の大学側の想定よりもルールを拡大解釈した手段となっても、寛容に扱ってもらえました。
また、一部の記事で大学側に取材したり、大学の先生や職員の方に寄稿依頼して頂いたことも、味方やファンを増やすという意味で役立ったのではないと思います。
6.活動を通して学んだこととは?
こうした部員不足という問題解決を通して得たことは大きく4つありました。
・活動の多角化や参加ハードルの低減で多数の巻き込みを得る
・ユーザーに有益な情報発信を継続して知名度やファンを増やす
・既存の「虎の威」や「周囲のニーズ」を上手く使いこなす
・営業力と交渉力でルールの範囲内でルールを最大限活用する
今回の記事でまとめた、学内新聞やTwitterという方法は、あくまで自分の部活の前提条件に対して有効だと思った手段の一つです。そのため、以上の方法でどの部活も部員不足が解決するわけではないですが、課題を分析し適切な解決策を考えて実行するということは、どの場所においても応用できると思います。
☆また、この記事では自分一人でいろいろやったように錯覚する人も多いかもしれませんが、実際に部活の再生をするにあたって、顧問の先生や先輩方、そしてOBOGの皆さまのご支援・ご協力なしには成し遂げられなかったことは事実です。この場を借りてお礼申し上げます。
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